あけにーブログ 〜フランスで考えたあれこれ

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マルセイユに小旅行① ‐ コロナ中の息抜き

 マルセイユに行ってきた。レストランは閉まっているし、18時は門限だし、と制約が多く、実際にバカンスに出かけるかどうか迷った。日本のようにGo toトラベルといったキャンペーンもないし… しかし、家族会議の結果、パリから長らく離れていない夫は「空気を換えよう(フランス語では”Changer d’Air”といって、気分転換という意味)」ということで、決行した。どのみち、ホテルでは外では食べられないし、もともと、家族で休暇の時はホテルを使うことはほとんどなく、借り屋が常だ。場所は迷った結果、コロナご時世に国外に行く訳にもいかず、天気も良い南仏のマルセイユにあっさりと決まった。パリの冬は太陽が恋しくなるのだ。マルセイユは学生時代に住んでいたこともある勝手知ったる街。確かに治安が悪いと余り評判は良くないが、実は本当に素晴らしい街なのだ。4年間ぐらい住んで、去ってからかれこれ何十年(余り詳しくは数えたくない)。この目でどう街が変わったかを見たかった。今回は名物である魚介類スープ「ブイヤベース」は諦めるにしてもだ。

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<マルセイユの象徴のボンヌ・メール(良いお母さん)教会が見える旧港のアパート>

 補足するとフランスのバカンスは、フランス人の休暇日数が長いために、短期休暇以外はホテルを使う人は少ない。1週間もホテルに泊まっていては、経済的に長い休暇に何度も出かけられないし、家族でレストランに毎晩、行く訳にもいかない。大抵、行っても1回ぐらいだ。ファミレスとか立ち食いそばとかないフランスではレストランは非常に高くつくのだ。それで、必然的に多くの市民はアパートや家を1週間借りる。土曜日から土曜日というのが慣例で、そのために、子供の休み中の土曜日は非常に車が渋滞する。

 早速、幾つかある貸家サイトでアパートが見つかった。旧市街のガレージ付き物件は1件しかなく、早速予約完了。マルセイユに引っ越したての大昔、他の地方の車ナンバーを付けていた夫の車は、2日間連続でこじ開けられた。車の中に取るものが無かったので、ロックが壊れたのみであったが、右ドア、左ドアとロックが馬鹿になり、トランクからしか出入りが出来なくなった苦い思いを思い浮かべ、路駐は避けたいと思っていた。マルセイユは住めば都だったが、行ってはいけない地域や、やってはいけないことを守ることが楽しく過ごせる秘訣だ。

 マルセイユは思ったより、遠かった。パリーマルセイユ間はTGVではなんと3時間半で着くが、車だと9時間。なにせ、775キロあるのだ。日本人なら電車で行くだろうが、向こうで車が必要になる。海辺のキャランクに行ったり、周辺都市を回るにも電車などでは不便だ。家族四人だとやはり、車は経済的。二人で運転を交代すれば良いかということで、車で出発。荷物なども楽だし、日本の首都圏のような交通網がないので、ついつい、車で出かけるのが癖になる。しかし、着いたらクタクタだった。門限の時間も過ぎてしまっていた。

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<何十年ぶりにマルセイユに行ったらハリウッドのような看板が!?>

 マルセイユに小旅行②に続く…