あけにーブログ 〜フランスで考えたあれこれ

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再びロックダウンでトドメの一発 

 10月29日の0時からフランス全土が再びロックダウンとなった。フランスの地方紙、ラ・ボワ・デュノールの紙面には「4ヶ月後に振り出しに戻る」との見出しだった。再びホームワーク、家族以外は誰とも会わず、外出時にはその理由を説明する証明書を携帯にダウンロードする生活に入る。

 ロックダウンの前日、色々な用事で奔走していたのは私だけではない。車で道は大渋滞、店内は混み合っていて、カフェやレストランはマスク無しの人々が外まで溢れていた。人々は「これが最後」と集まったり、友人と会ったりしていた。

 前回の2ヶ月間のロックダウンでその大変さを実感していたせいか、今回は流石に皆ガックリ来ている。そのせいか、ロックダウン3日目には車は走っていないものの人が結構街中を歩いている。今朝の市場もかなりの人で溢れていた。

 また、前回は20時に窓辺で医療関係者に敬意を表して拍手をする習慣があったが、今回はまだそういったイニシアチブはない。おそらく多くのフランス人は打ちひしがれているのだろう。感染拡大の抑制のために仕方ない対応と諦めていても、テロ事件などと重なり、かなり精神的に参っている模様だ。

 そのためか、今回のロックダウンはかなり緩いように見受ける。前回と違って学校は閉鎖されず、公園なども閉鎖されていない。依然として食料品やホームワークに必要な商品を売っている商店は開店を許可、レストランや映画館などの文化施設は閉鎖される。

 それでも、2回目のロックダウンをフランス人は「飲み込む(苦い薬を我慢する=avaler la pilule)のが難しい」ようだ。友人の学校教師は証明書の時間を書き消しして何度も外出するつもりという。仕事で危険に晒されているのに外に出られないのはオカシイと腹を立てている。店を開けられない商店などはこれ以上、損失を被ったら閉店すると怒って抗議している。経済的な不安も広がる中、フランス政府が戦わなければいけないないのは、コロナウイルスだけでは無さそうだ。

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